「アンガーマネジメント」って、具体的に何をするの?
「アンガーマネジメント」って、本当に効果があるの?
そんな疑問を持つあなたのために今回から数回にわけて、「アンガーマネジメント」について、わかりやすく解説していきます。
目次
アンガーマネジメントとは?
時々、誤解されている方もいらっしゃるようですが、アンガーマネジメントとは、怒らないようにする方法ではありません。
怒りやフラストレーションといった感情を適切に理解し、健康的に表現することを目指す技術を指します。
例えば、日々のストレスやプレッシャーに直面する中で、怒りの感情をコントロールすることは非常に重要です。アンガーマネジメントには、怒りの感情を認識し、それを適切に表現することや、その感情による否定的な影響を最小限に抑えることが含まれます。
かんたんに言えば「人間関係を良くし、業務を円滑に進め、日々を快適に過ごすためのトレーニング」のようなものです。
怒りのメカニズムについて知ろう
怒りは、私たちが何らかの脅威に直面したり、不平不満を抱くようなできごとが起きた際に生じる自然な感情です。怒りは、私たちの体と心に様々な変化を引き起こします。簡単にですが怒りのメカニズムについて説明します。
認識: 例えば、不公平に扱われたり、妨害を受けたりすると私たちの脳は何か問題が生じたと感じます。脳が「脅威」として認識した状態です。
身体的反応: 脳が脅威を認識すると、体は「戦うか逃げるか」という反応を起こします。心拍数が上昇し、筋肉が緊張し、アドレナリンなどのホルモンが放出されます。これにより、私たちは怒りを感じ、時に攻撃的になることもあります。
感情の表現: この怒りは、様々な方法で表現されます。言葉で怒りを表す人もいれば、行動で表現する人もいます。また、内向的に怒りを抑え込む方も一部存在します。
怒りを感じること自体は悪いことではありません。
しかし、怒りのコントロールができないと、職場の対人関係や意思決定にネガティブな影響を及ぼします。この感情を管理することは、快適な職場環境を維持する上で必要不可欠です。
だからこそ、問題に対して冷静に対処するためにも、怒りを感じたときに、深呼吸をして落ち着きを取り戻すなどの適切なアンガーマネジメントの方法を学んでおくことが大切です。
怒りのメカニズムを理解し、この感情をより健康的に扱い、効果的にコントロールしていきましょう。
アンガーマネジメントの利点
アンガーマネジメントを身につけることには多くの利点があります。
ストレスレベルの低下、人間関係の改善、効果的な意思決定能力の向上、そして全体的な幸福感の増大など。職場では、より良いチームワークと生産性の向上が見込まれるでしょう。
アンガーマネジメントの実践方法
では、アンガーマネジメントの実践について、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
深呼吸、リラクゼーション、ポジティブ思考の促進、問題解決スキルの向上などが挙げられます。
これらを日常生活に取り入れ、怒りの感情に効果的に対処し、より健康的な生活を送りましょう。
今回は、もっとも手軽に行える深呼吸について解説します。
アンガーマネジメントの第一歩:深呼吸で冷静さを保つ
怒りは、職場での対人関係や業務遂行に大きな影響を与えます。
日々の業務で様々なプレッシャーと向き合い、感情のコントロールが難しくなることも時にはあるでしょう。こんな時にこそ、大切なのは、怒りをコントロールし、冷静さを保つことです。
そのための第一歩として「深呼吸」は非常に有効です。
深呼吸の効果
深呼吸は、心身の状態をリセットするのに役立ちます。具体的には以下のような効果があります。
ストレス反応の緩和:
深い呼吸は、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを下げ、リラックスした状態へと導きます。
集中力の向上
酸素をたっぷりと体内に取り入れることで、脳の働きが活性化し、集中力が向上します。
感情の安定
深い呼吸によって心拍数が落ち着き、感情が安定しやすくなります。
深呼吸の方法
①姿勢を正す
背筋を伸ばし、リラックスした姿勢を取ります。
ゆっくりと息を吸う: 鼻からゆっくりと息を吸い、お腹が膨らむようにします。
②息を止める
空気を肺に留め、数秒間待ちます。
③ゆっくりと息を吐く
口もしくは鼻からゆっくりと息を吐き出します。
この一連の動作を数回繰り返します。
実践のコツ
①日常に取り入れる
朝のルーティンや、会議前、緊張する場面の前に行うと良いでしょう。
②心を落ち着かせる
深呼吸をする際には、穏やかな心持ちを意識します。
③持続することが重要
怒りを感じた瞬間だけでなく、日常的に深呼吸を習慣化することが大切です。
まとめ
怒りという感情は誰もが経験するものです。
しかし、それをどのように管理するかが職場や家庭での過ごし方に大きく影響します。
アンガーマネジメントは、個人の幸福感と生産性を高めるために不可欠なスキルでしょう。
今回は、アンガーマネジメントの第一歩として、もっとも手軽でシンプルな対処法の深呼吸を解説しました。
日々の生活の中で意識的に深呼吸を取り入れ、感情のコントロールを学びましょう。
次回の記事では、アンガーマネジメントの具体的なテクニックをさらに掘り下げていきます。